従来の郵便で手紙が送られる手順をみると次のようになります。
次のメイルは、私宛に届いた少し古いメイルです。 内容は、「仮名手本忠臣蔵」ページへのリンクの依頼です。
Date: Mon, 12 Aug 1996 21:05:01 JST
To: egi@cs.ube-c.ac.jp
From: Hirofumi Fujiwara<fuji@pro.or.jp>
Subject: 仮名手本忠臣蔵
Replied: Mon, 19 Aug 1996 10:59:22 +0900
江木さま
藤原@JAVAパズル です。
インターネットの中をさまよっていたら、宇部短大にたどり着き、学生のホー
ムページを見ていたら、山田美幸さんの「うしの話」が面白く、渡邊留美さん
のページから、江木先生のページの仮名手本忠臣蔵のページにたどりつきまし
た。
まだ、インターネットで日本語関係の研究を公開している方が少ない中、な
かなか良い研究ではないかと思います。
それで、私の日本語関係のページからリンクを勝手に張らせて頂きました。
http://www.pro.or.jp/~fuji/japanese/
です。当然、ホームページは、
http://www.pro.or.jp/~fuji/
です。自己紹介は面倒なので、私のプロフィールを御覧下さい。
では、失礼します。
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藤原博文(Hirofumi Fujiwara) JAVA and Puzzle
fuji@pro.or.jp http://www.pro.or.jp/~fuji/
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このメイルでその形式を説明しますと、
最初の5行はヘッダーと言われる部分です。ここに手紙で言えば封筒に書かれる情報が記述されます。
ヘッダーには、その他たくさんのことが記述されていることがありますが、少なくとも下記の5つは重要です。
項目 | 内 容 | 例 |
---|---|---|
Date: | メイルが出された日時・時間 | Mon, 12 Aug 1996 21:05:01 JST |
To: | 宛名 | egi@cs.ube-c.ac.jp |
From: | 差し出し人の名前とアドレス | Hirofumi Fujiwara <fuji@pro.or.jp> |
Subject | 手紙の主旨 | 仮名手本忠臣蔵 |
Cc: | 複写宛先(カーボンコピー) | - |
次の部分は、本文です。
ここにメイルの内容が書かれます。
従来の手紙の便箋に書かれている部分に相当します。
このメイルの例のように、電子メイルでは、最初に自分を名乗ることが一般的な作法です。
また、この方は自分の自己紹介をメイルに書かないで、伝えたい内容だけを書いておられます。
自分の詳細はホームページを見て下さいとあります。
これも電子メイルらしい書き方のひとつです。
ホームページのアドレス(URLと呼ぶ)は自分の名前のサイン部分にも書かれています。
最近では名刺に自分のホームページのURLを記述されている人が多くおられます。
このように、いろいろな形で日常的にインターネットが使われているのです。
最後に名前やメイルアドレスなどが書かれている部分はシグネーチャー(署名)と言われています。 これは、自分で好みのサインを作って置いて、メイルを出すたびに使うことができます。 それについては、「シグネーチャーをつける」に詳細を記述しますから、そちらを参照してください。
従来の郵便や電話と比較して、電子メールには次のような特徴があります。
ワープロやタイプのできる人ならば誰でも使うことができます。 封筒、便箋、切手などを用意する必要がないことと、それを郵便局まで持っていく必要がありません。 特に事務連絡などには大変重宝します。 手書きの郵便の良さも十分ありますので、要は使い方です。 相手とのコミュニケーションが最も良い状態でできることが重要でしょう。
最近ではほとんどの相手にすぐに(数分以内に)届くと言っても良いでしょう。
これは海外でもほぼ同様です。
ただ、相手に届いているからといって、呼んでもらえたかどうかは分かりません。
ですから、大事な電子メールであれば、受け取った旨の返事を出すべきでしょう。
どこに出してもほとんど無料のようなものです。
ただ、このほとんどコストがかからない、という点が最近では逆に問題点になっているようにも見えます。
なぜなら、通常の手紙と同様なダイレクトメールが横行しているからです。
送り側としては宛先のリストさえ手に入れば、機械的に同じ内容の電子メールを大量の相手に出すことは(コンピュータが行うのですから)まったく苦になりませんから…。
これも相手のことをどれだけ考えるかでしょう。
電子メイルは本来個人へ文書を送る道具です。 しかし、ひとつのメイルを複数の人に同時に送ることも簡単にできます。 例えば、宛先を複数書く、Cc 部へ別の人の宛先を書く、あるいはメーリングリストと呼ばれるグループ名へ出すなどによってです。 同じ文面を多くの人に出さないと行けない場合には非常に便利です。
デジタルなメッセージですから、何度コピーしても古びることがありません。 したがって、相手の文章を自分の電子メールに引用したり、それをもとに別の文書を作成したりということはよく行われます。 また、最近は文書以外の写真などのデータもメイルで送ることができます。
この点が忙しい人にとって電子メールの大変便利なところです。例えば電話の場合、
電子メールを利用するためには、インターネットにつながったどこかのコンピュータに利用者登録をしてもらわなければなりません。 登録してもうと、ユーザ名やユログイン名と呼ばれるコンピュータの上での名前が与えられます。 これがメイルを出したり受け取ったりするには必要です。 このコンピュータ上での名前を特定するものが 電子メールアドレスです。
例えば、私の電子メールアドレスは egi@cs.ube-c.ac.jpです。
この中で最初にある egiが私のユーザ名です。
ユーザ名の右となり、@の右側は住所のようなもので、次のようなことを意味しています。
内容 | 意味 |
---|---|
jp | Japanese。日本を表す。 |
ac | Academic。教育・研究機関を表す。他にco(企業)、go(政府関係)等がある。 |
ube-c | 宇部短期大学。組織名を表す。 |
cs | 情報計数学科。さらに細かい組織や計算機の名前等を表す。 |
このように国名や組織名を .(ドット)で繋いだものがインターネット上の住所に相当します。 したがって、上記のメイルアドレスegi@cs.ube-c.ac.jpは、
という意味になります。
最近では名刺に自分の電子メールアドレスを記す人も増えて来ました。
通常、電子メイルは個人同士の手紙の交換をする道具ですが、これを利用して特定の仲間へメイルを出すことができます。
これをメーリングリストと読んでいます。
こういうメイルを出すには、あらかじめシステム管理者に、仲間のアドレスのリストを作成しておいてもらう必要があります。
そのアドレスのリストに名前をつけておいて、その名前宛にメイルを出すと、そのリストに書かれた人全員に同じメイルが送られます。
例えば、私は、私の特別演習をとっている人でturuという名前のメーリングリストを作っています。
このメーリングリストには、特別演習を履修している学生の人のアドレスと私のアドレスが書かれています。
この人達と何か連絡をとりたい場合、以下の例のように、メイルアドレス(To:)を turuとしてメイルを出すと、そのリストに書かれたひと全員に同じメイルが届きます。
Date: Wed, 19 Feb 1997 18:55:52 JST
To: turu
From: Egi Tsuruko