毎月17日の命日には仏壇のお参りや、会食などの集いを香川先生に縁のある方々がされています。その集いに参加させていただき、お話しをお聞きしました。
「香川先生はどんな方でしたか?」
礼儀作法にはとても厳しい方でした。特に品の無い食べ方、箸の持ち方には厳しい態度でした。ですが、これらの教えは後の大学進学には多いに役に立ちました。
「どんな口調でしたか?」
口調は非常にはっきりしており、声も大きい方でした。怒られる時の声はびっくりするほどでした。
「香川先生が厳しかったというお話しはお聞きしますが、どんな厳しさでしたか?」
慈悲の心がおありでした。根底にその心があったからこそ卒業生が今でもこうしてお参りに来られます。厳しさの底には優しさがありました。
授業はとても良い授業で成長した時にとても役に立つ教えでした。のちのちにずいぶんとここの教育に救われました。本当に教えていただいてよかったと思っています。
「授業はどんな内容だったのでしょうか?」
作法と道徳を主に教えていただきました。その教えの中でよく絵の話しや指導をしていただきました。教えが本当によく、成長した時に役に立つ厳しさがあり、優しいお母さんに教えていただいたように感じます。
先生の優しさは、学校から家が遠くて通って来られない学生を、ご自分の自宅に泊めておられたところによく現われております。礼儀作法を教えながら次々とそういう学生の面倒を見られていました。それらの卒業生の方々は本当に素晴らしい人物になっていらっしゃいます。
香川先生はとにかく尊敬できる方でした。今思い出しても涙が出るくらいです。新造校長先生も同様に厳しかったですが、反面、非常に優しい方でした。
「香川先生の美学」
他校と違って、戦時中にも生徒に「もんぺ」は履かせず、二十四襞のスカートで、校庭にみんまが集まると、とても美しかったです。終戦に近くなって、仕方なく「もんぺ」になりました。それが香川先生の美意識だったのだと思います。
「進学率はどうだったのでしょう?」
香川女学校からは、昔から進学者が多かったです。その時代に女の人が進学するというのはとても少ないことでしたが、・・・
「香川先生の自宅の近所に住んでおられた、お琴の池田先生のお話し」
香川学園の卒業生の方には、社会活動に参加されるなど、非常に活力があり、骨惜しみしないで、貢献される方が多いと感じます。また、卒業生同士が助け合われているなということも感じます。そこは公立高校卒業生の方と少し違う点ではないかと思います。
香川先生の教育というのがどのような内容なのかを知りたいと思って、在職中からこの集いに参加させていただいております。
この集いでお話しを聞かせていただいて、香川先生の教育は実生活に密着した教育、人間愛に満ち溢れた教育であるとの感想を持ちました。
骨惜しみしないで、貢献すること、それがここの教育の根源なのではないかと思います。
先生の厳しさは「骨惜しみしない卒業生の姿」に反映されているのではないでしょうか。卒業生の方々は、必ずきちんと立ち止まって挨拶をされます。「これは香川昌子先生の教育のおかげです。」そうおっしゃっておりました。
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