Ｊａｖａを用いたカラーコーディネートシステムの試作

山本和貴子　武田友希　于克高　焦紅劉芳藩美沙

大前妃佐子　空優子　江娟　趙淼然　孫丹于克高

指導　吉田信夫

はじめに

　私たちの生活の場は様々な色に囲まれ、私たちは自由に色を選択し楽しむことができる。色は過去の経験や生活習慣や環境・文化に深く関っており、人間の深層心理など、私たちの感情にも大きく影響している。私たちが洋服や家具や車の色を選択するとき、コンピュータを使って便利に試行錯誤を繰り返しながら、周囲の背景や他の物体との調和も図り、カラーコーディネートを実現できるシステムがあれば便利であろうと考えた。私たちは、洋服、橋などの構造物、インテリアの色を対象として、ホームページから利用できるカラーコーディネートシステムをＪavaアプレットを用いて試作した。

１　Javaの優れた特徴

　Ｊａｖａはプラットホームに依存しないという非常に優れた特徴を備えている。Ｊａｖａで作成されたプログラムはホームページブラウザ上のＪａｖａ仮想マシンの上で動作するので、どのような機種のハードウェアでも、またどのようなオペレーティングシステムでも動作させることができる。
　さらに最近のＪａｖａの動向として、次のような点が挙げられる。

第１図

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
第２図

マルチメディアに対応できる: 　Javaには音声や映像や画像などを統合的に扱うモジュールとのインターフェイスＡＰＩ（Application Program Interface）が用意されつつあり、マルチメディアに対応することができる。
データベースに対応できる: 　JavaでRDB(Relational Date Base)にアクセスするための手段を提供する規格 JDBC（Java DateBase Connectivity)でデータベースにも対応している。
サーバ側のシステムを構築できる: 　サーバ側で利用するJavaをサーバサイドJava（サーブレット；servelet）と呼び、サーバ技術に対応できる。
携帯電話などのモバイル機器でも利用できる: 　携帯電話にもJava対応の機種が出てきている。
XMLにも対応できる可能性がある: 　将来、電子文書の標準となる可能性もあるXML(eXtensive Markup Language)をサポートする可能性がある。

２　カラーコーディネートシステムの概要
カラーコーディネートシステムの概要を第３図に示す。

　私たちの試作したカラーコーディネートシステムはJAVAで作成した形状座標取得プログラムとカラー選択プログラムと利用者にカラーコーディネートシステムを使ってもらうためのホームページで構成されている。
　本システムの運用方法は、まず最初に背景写真を決め、背景写真のファイルを形状座標取得プログラムに埋め込み、classを作り変える。形状座標取得プログラムをホームページから動かして、表示された背景に合わせて形を作り、座標を取得していく。形をデザインする操作はマウスで点を打ち、多角形を描いていく方法である。
（形状座標取得プログラムについて詳しい説明は下記を参照）
　形状座標取得プログラムでは、多角形の頂点座標が次々とテキストボックスに表示されるので、その座標を現段階では人手によって記録し、カラー選択プログラムの一部に座標値を埋め込み、 classを作り変えていく。
（カラー選択プログラムの詳しい説明も下記を参照）
　最後に複数のカラー選択プログラムをカラーコーディネートシステムのホームページに統合集約して、個々のカラーデザインに供する。

第３図

３　カラー選択プログラム

　カラー選択プログラムの概要を第４図に示す。
　このclassは背景写真の定義、利用者が選択するカラーボタンと描画ボタンおよびグラフィックコンテストの定義、それぞれのボタンクリックに対するイベントドリブンメソッド、表示メソッドからなる。

第４図

４　形状座標取得プログラム

　形状座標取得プログラムの概要を第５図、第６図に示す。
　このclassは初期化メソッド、イベント処理メソッド、描画メソッドからなる。初期化メソッドでは、座標表示用のテキストボックスを表示し、背景写真の画像ファイル名を画像型変数にセットする。イベント処理メソッドでは、マウスがクリックされた点の座標を取得して描画メソッドに送り込む。描画メソッドでは、背景写真表示し多角形を直線を連結させて描く。
　また、ダブルクリックを検出して多角形を閉じる。

第５図

（ａ）（ｂ）（ｃ）
第６図

おわりに

　今後の当面の課題としては次のことが挙げられる。今回は、背景写真に対して、的確な位置に形を取るためのプログラムを作成して形状座標を取得し、人手によってカラーコーディネートプログラムに埋め込んだ。次のステップでは、デザインした形状を自動的にカラー選択のプログラムに取り込むことができるシステムに改良することが考えられる。また、形を作るときに、一旦描いた点を取り消す機能を持たせることはぜひとも必要なことであり、この点は容易に実現できると考えられるので、この点の改良を早速に行いたい。


（ａ）	（ｂ）	（ｃ）
第６図