池田 千春 伊波 秀俊 惠嶋 清勝 篠原 正憲 高田 裕美
|
1.はじめに マイクロソフト社の表計算ソフト、EXCELを使ってビール業界の財務情報分析を行います。分析の対象企業は、キリン、アサヒ、サッポロの3社です。 各企業の財務データは、1999年度の貸借対照表、損益計算書などの財務諸表に基づいております。さらに、1999年度のデータを補足するために、1998年度および1996年度のデータを利用しました。 財務指標として日本経済新聞社が作成している指標に基づき、成長性、収益性、効率性、安全性、生産性、その他の指標を用いました。 主要な財務指標の説明と日経財務指標の分析結果を示し,そして、最後に3社の総合評価を行ないました。 2.総合評価と売上予測 ビール3社の総合的な評価を行ないます。用いる財務指標は、成長性として5年間平均増収率、収益性として資本利益率、効率性として資本回転率、安全性として自己資本比率、生産性として1人当たり売上高、規模として総資本、の6項目で総合評価します。 キリン アサヒ サッポロ 成長性(5年間平均増収率) −4.309% 3.871% −4.639% 収益性(資本利益率) 2.632% 0.091% 0.419% 効率性(資本回転率) 0.95回 0.99回 0.64回 安定性(自己資本比率) 53.36% 35.84% 14.39% 生産性(1人当たり売上高) 157.47% 251.02% 149.50% 規模(総資本):百万円 1,166,696 1,054,807 767,596 キリンは、収益性、効率性、安定性、規模において優れており、成長性や生産性はアサヒに及びません。 アサヒは、成長性、効率性、生産性において優れています。成長性は主力商品「スーパードライ」が貢献し、それとともに生産性も向上していると言えます。アサヒの収益性は、キリンに及ばないが、売上高営業利益率を見るとアサヒの方が高い率を示しています。資本利益率がキリンより低いのは、借入、社債などの有利子負債に依存しながらヒット商品を生産し続けていることの証であり、これが、過大な設備投資として現れ、資本利益率を低める要因になっています。そして、さらにこれが、安全性を低める要因にもなっていると解されます。 サッポロはすべての指標においてキリン、アサヒに劣っていますが、労働生産性はキリンに匹敵する高さを示しており注目に値する指標と言えるでしょう。 最後に、3社の2000年度の売上高の予測をしました。過去5年間の売上高データをもとに最小二乗法で分析しました。結果は、キリンとサッポロが売上高を減少させ、アサヒが売上げを伸ばすであろうと言う予測です。しかも、アサヒは、キリンの売上げに迫りキリンを上回る業績をあげるかも知れないという私達の予測結果です。 キリン アサヒ サッポロ 2000年売上高予測(百万円) 1,015,595 1,109,325 467,184 3.終わりに Excelを利用することにより,企業の財務分析と売上予測する方法を学びました。 将来はこの分析を応用して他の企業の経営分析をしてみたいと思います。
|