Access
による求人情報システムの構築---Web
サイトデータベースの実現---引藤文子 大山美樹 岡野綾子 鞘本奈津美 中村知絵美 枡永洋子
(指導教員:藤井美知子)
1.はじめに
Access
を利用してデータベースシステムを構築し、ネットワーク上にのせることを課題にゼミを進めてきた。ゼミ前半は、テキストを参考に売上管理システムを構築し、リレーショナル型データベース管理システムであるAccessについて学習した1)2)。後半はその知識を応用して求人情報システムを構築した。本報告では売上管理システムについての概略、および求人情報システムについてはデータベース設計からシステム構築まで、またインターネットとデータベースを連携させてWWWを利用して3)求人情報を見ることができるまでを説明する。
2.売上管理システム
コンピュータショップの運営を管理する例をとりあげ、売上げ管理の処理ができるシステムを作成した。売上げ管理システムに必要なテーブル
(データを蓄積するための器)を用意した。顧客に関する情報のテーブル、商品に関する情報のテーブル、売上げた商品はいつ誰が買ったかという情報からなるテーブル(売上げ台帳)、その時商品がいくつ売れていくら儲けたかという売上げ明細に関するテーブル(売上げ明細)の4つである。お客さんがコンピュータ用品を買いに来たとき売上げ明細表をコンピュータを使って作成し(図1)、顧客ごとの売上集計が求められるように報告書などを作成した。Accessの4つの機能である、テーブル、クエリー、フォーム、レポートを使って管理システムを作成した。
図
1 売上明細画面3.求人情報システム
1年生の2月ころより本格的に就職ガイダンスが始まり、4月からは就職活動が始まる。就職に関する掲示板には企業から送られた求人票が掲示され始める。情報システム学科にきた求人票をコンピュータに蓄積し、パソコンからインターインターネットを使って、学生が求人票を見ることができると便利である。また昨年度の求人状況を調べたり、どの時期に求人件数が多いか等過去の情報を知ったり、現在どのような職種・業種の求人があるのか、自分の所属する学科にはどのくらい求人があるのか、また希望給与条件にあう会社名を検索できると就職活動の手助けとなる。 そこで、求人票の情報をデータベース化し、求人情報システムを構築し、学生に各種の情報が提供できるようにした。まず、求人情報の内容について検討し、蓄積する項目を決め、それをいくつかのテーブルとして設計した。
Access はリレーショナルモデル型のデータベース管理システムであるため正規化を行い、テーブルの関連付けなどをした。求人情報システムを起動させると図2に示す画面遷移図に従った処理が行えるようにした。画面遷移図の求人情報にあたるメニューが図3の画面である。工夫した点は、求人情報を入力するとき、できるだけ入力しやすくなるように画面設計を行った(図4)。例えばキーボードからすべての情報を直接入力しなくてよいように、募集学科や業種や職種などは、ルックアップウィザードの機能を使うことにより、何度も同じ文字をキー入力しなくてすむようにした。会社説明会や退職金や残業などの有無は、Yes/No型にして、マウスでチェックすることにより値を入力するようにした。また、データの入力がわかり易いようにヒントテキストが出るようにした。備考欄はその会社に関すること、あるいは求人に関することなどさまざまな情報が沢山入力できるようにメモ型にした。ホームページは、ハイパーリンク型にしてクリックしたらそのホームページが表示されるようにした。各処理は初めて本システムを利用する人もしやすいようにボタンを作って、必要な処理はボタンをクリックすることによって、複雑な操作なしに使えるようにした。
図2 画面遷移図
図3 メインメニュー画面
図4 求人情報入力画面
4.
WWWでの利用WindowsNTサーバーにAccessで作成した求人情報をおき、インターネットで見ることができるようにした。本システムではIDC(Internet Database Connector)によるデータベースの構築を行った。Webサーバー、ODBC(Open Database Connectivity)の設定を行い、Webページ作成ウィザードを実行し、IDCやhtmlのファイルを作成することにより図5に示す画面よりAccessで作成した各種の情報を取り出すことができる。
図5
WWW画面
5.おわりに
Accessを利用してデータベースの構築について勉強した。さらにシステムをNTサーバーに置き、WWWで見ることができるようにした。現在県内85件の求人情報を入力しているが、県外からの求人票も入力する予定である。
参考文献
1)高橋良明:「ベスト
Accecc97」、ソフトバンク(1997)2)高橋良明:「ベスト
Access97活用編」、ソフトバンク(1997)3)佐藤栄一:「
Access97Webサイトデータベース」、オーム社(1997)