お昼休みだ。食事を終えたら行くところがあった。英文科にある英文タイプの実習 室だ。ここで、両手打ちの練習をするのだが、何故かみんな英文タイプの検定試験 に合格することに燃えていた。キーとキーの間に指を挟み、痛い思いをしながら5,6 時間目の電気実験(みたいなもの)の授業に向かった。
いろんな機器のある実験室で吉田先生(その当時は独身だったからでしょう。 ”先生”と呼ばれただけで顔を赤くされて下を向いていらっしゃいました)が担当して おられた。そこに、アナログ計算機があった。出力としてはプロッターが接続されてい た。大きな回路に差し込みの付いた赤や青の線をどこかしこと差し込んでみた。 よって、実験中に一度はヒューズが飛んでいた。あまり理論は分かっていなかったが、 結果は必ず出た。吉田先生のおかげです。
7,8時間目は、今は亡き石丸先生の授業で機械語の実習があった。忘れもしません。 石丸先生が開発されたS-2というアセンブラ言語を利用して実習をした。ピカピカ とそこいら中のランプが意味ありげに付いたり消えたり、また、スイッチを入れた り切ったり・・・・・まさに計算機の何物でもなかった。また、S-2こそプログラ ム言語だ! と当時は思っていた。
想い出した中での印象深い授業はこのような風景でした。
あれからニ十数年、授業風景もがらりと変わりましたが、その時その時の授業風景を 思い出せるということは工業計数学科の歴史でもあります。大切にしまっておきた いものです。
(山口大学工学部)