爾来30年、情報技術の高度化、社会・経済の仕組みの複雑化・高度化、さらに国 際化・情報化の急速な進展に伴い、カリキュラムにおいては、当初の数学・ソフトウ ェア・ハードウェアを3本柱とするカリキュラムから情報科学を核とするソフトウェ アのカリキュラムへと移行し、実習機器環境においては、当初の紙テープを使用する FACOM 231やタイガー手回し計算機から更新を重ねて、ワークステーションを 核とするコンピュータネットワークシステムへと移り変わってきた。
この間、昭和55年に学科名を工業計数学科から情報計数学科に変更し、昭和62 年には情報計数コース・経営情報コースのコース制を導入するなど常に社会のニーズ を的確に捉え、これに対応した情報処理教育を積極的に実施すべく努力してきた。
ここで、30年の節目、しかも18才人口の減少に伴う短期大学再編成の真只中に あることを考えるとき、散逸しがちな資料、薄れゆく記憶を集め呼び起こして整理し 、来し方を回顧するとともに、来るべき21世紀へ向けての学科の確かな指針を見出 していくためにも、情報計数学科30周年記念誌を編纂することには誠に意義深いも のがある。
この30周年記念誌を刊行するにあたり、ご執筆頂いた方々、編集に当った委員、 陰に陽に編集の業を助けられた関係教職員、並びに同窓生諸氏に対し、深い 感謝の意を表する次第である。